ICU敷地内にあるICUHS


[ICUHS生&父兄向]
ICUHSの課題

keyword: ICUHS,帰国子女,多様性,対人コミュニケーション能力, diversity,推薦進学
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この記事はピンポイントにICUHS生と、及びその父兄に対して向けたものになっています。 強靭なidentityはICUHS生にとっての唯一絶対の武器であるものの、日本の生活に順応しきれておらず、 また鍛え方が全体的に甘い面が否定できないという大きな弱点があります。問題をまとめてみます。



世界の縮図とも言えるdiversity


ICUHSは帰国子女枠が2/3,一般受験でもかなりの割合帰国子女がいるという、かなり特殊な採用/選抜をしている学校です。 そのため日本の標準的な学校と比べても相当異色です。

一番の違いは文字どおり世界の縮図になっている点です。ハーフ・クォーター・バイリンガル・トリリンガルは当たり前のようにいれば、 それまでの居住地も世界中に散らばっています。

これは日本の主要な一貫校とは全く事情が異なる背景を持ち合わせています。中学受験組の世界観は皆均一で多様性などかけらもありません。 他方でICUHSの場合実質インターのような集まり方をしているため、嫌でも能動的なコミュニケーション能力を身につけなくてはならなくなります。

なお240という1学年のサイズであるため、互いのことを強いつながりを持って把握することも、 ギリギリ上限いっぱいではあるものの可能です。

そしてICUHSの子達は皆一様に気持ちの良い子が多くいます。ジメッとした体質や、いじめの類の話はまず聞いたことがありません。 異質な他者へのrespectが根付いているのが、ICUHSにとって、一貫組に持ち得ない、人格形成を行う上での絶対的な競争力です。



強靭なidentity


ダンス部に見られるように、自分らしさ(identity)の洗練度は眼を見張るものがあります。技術的に面白い、知識がある、ペーパーが強い、 そういう類の競争力はさほど見られませんが、自分だからできること、自分だから表現できることがなんなのか、 その手段も低めて自覚を持って生活できている子が多くいます。

そのため殆どの子は誰に対しても臆することがほぼありません。後述するように主に科学面が弱いという弱点があるのですが、 言語で対話を完結させる分には個の魅力が十分伝わる子が揃っています。



環境要因でのストレス耐性の強さ


コミュニケーション能力や自己表現能力は、必要性が生じるからこそ磨かれるものでもあります。 そしてそれを自覚して磨ける環境にいるというのはとても幸運なわけですが、その土壌がICUHSにはあります。

殆どの学生が、日本という生活環境に全く慣れていません。そのため日本の生活・文化・風俗に順応するために 1年程度かかるのが通常のようです。この経験があるため環境要因でのストレス耐性は、 ICUHSの子達の多くは身についているように思われます。



基礎学力の甘さ


ここから弱点に入ります。まず帰国子女であるため多くの学生は日本の教育を受けていません。 また国内一般受験枠組でも高校受験になるため、一貫組と比べても仕上がり具合はかなり悪い傾向があります。

英語と数学には問題のつくりはこだわりは見られ、また入学後もそれなりに力を入れているのはわかるものの、 いかんせん加速期間が短すぎます。ICUHSの名前を学力面で聞くことが少なく、また実績が悪い最大の原因はここです。



特に数理科学


特に理科の弱さは如何ともしがたいものがあります。生物その他で体験型の授業を大事にしているようですが、 そもそもカリキュラムを十分にこなせていません。異質な他者へのrespectは十分ではあるものの、 科学へのrespectはほぼないのが、残念ながらICUHSの最大の弱点です。 そしてそれを大事なものだとも感じていない子が大半であるように思われます。 同期に突き抜けた数理科学の力を持つ子がまず見当たらないこと、またいたとしてもそれを促す土壌がありません。

これは主に帰国子女の家庭が文系・事務方の家庭が殆どであることとも密接なつながりがあり、 異文化理解には力を入れるものの、長期間をかけて関心の対象を突き詰め、 理詰めで成果を生み出す研究や技術開発の世界とは無縁な家庭が多いからであると考えられます。


文化祭パンフ


文化祭での展示の弱さ


ICUHSの科学に対する弱さは文化祭でも見られます。ICUHSはダンスとチアが勢いのある部活動2強ですが、 他方で科学系部活動自体が存在しません。個人研究もなく、軒並み教室はがらんとしていて、 一貫校の学生が見たならばぽかんと口を開けるくらいには落差があります。

IGS指定されているためそれがらみでの特別授業や、数学甲子園に出る子たちも一部にはいるようですが、 学校単位で見てみれば土壌はないに等しい状況です。科学を通じて力を身につけることができないというのは、 他校と渡り合う上でも大きな弱点です。

高校受験枠しかないため一貫組、 特に関西その他のエリアの学生がその存在を知らないのは当然と言えば当然ですが (そもそもICU自体全国区ではない)、科学への弱さが引き金となって他校から敬意を払われる、 ということは困難な状況にあると思われます。実際一貫組との絡みはほとんどありません。



推薦枠に逃げる強い傾向


上記のペーパーへの弱さを重々自覚している多くの現役生は、軒並み一般受験ではなく推薦枠での進学を試みます。 当然ながら帰国子女であることの属性を生かすなり、英語その他言語の競争力を売り込む形での採用を狙う形です。


推薦枠を利用することそれ自体が悪いとは思いませんが、一般で抜けれる地力がないことがわかっているので推薦、 というのはあまり褒められた話でもありません。国内組の学生からすれば、やるべきことをやらずしてうまく逃げ通したと映るでしょう。 ICUHSの卒生の評価が今ひとつなのは、こうした態度そのものにあると批判する現役生もいます。



対象に対するストレス耐性への弱さ


そのため環境要因からくるストレス耐性はあるものの、対象そのもの、 特に数理科学に取り組むストレス耐性はさほど強いものは感じません。これは恐らく女子校よりも弱いと考えられます。 やはり鍛えるべきものを鍛えられている学生、その意味で正当な感覚を持つ子がマイノリティであるため、 全体の空気も勢い任せで捻れていく面は否定できないようです。



常識がない(og談)


国内でも生活年数が少ないため、また人格がある程度固まっている高校入学時点で日本の文化を知らないため仕方がない面もありますが、 常識がない人が多い、と感じる子もまたいるようです。



こうした事情から、無理して推薦を狙いにいくことで中途半端な逃げ方をするよりも、 浪人してでも基礎学力をしっかり叩いてからスタンダードな進学の仕方をした方が、国内組からも多く受け入れられ、 また自身も可能性を広げられると考えますが、学校側としては浪人を薦められるわけでもなく、難しい判断とも言えます。

手応えとしては異文化理解のために1年を費やし、順応してから標準的な訓練については2年生から始める、という学校です。

ICUHSは主に対人コミュニケーション能力で抜群のものを持つ子が揃い、また育つ学校だと感じます。 多くの国内組の学生が持ってないものを持つ反面、主に地道な訓練を積み上げていないため敬遠されることも多い学校かもしれません。 つまり標準的な国内の学校と比すると水と油です。

しかしいつまでも言語・能動的なコミュニケーション能力の高さだけで押し切れる時代では既になくなっています。 これは他校の父兄に対しても伝えているメッセージですが、親世代が20代30代の頃は今のように生活に テクノロジーが入り込んでいる世界観でもなければ、文理にまたがる理解なり学習が必要とされず、 雇用環境においても技術職と事務職が別枠として採用されるのが当然でした。

しかし今はベンチャーや研究職も含め、事務方だから科学技術に理解がなくても良いという世界でも、 技術者だからコミュニケーションをおろそかにしても問題ないという時代ではなくなりました

この事実からしてICUHS生も時代の変化に歩み寄る必要がありますが、現状ではその受け皿は未だ整っていないように思います。










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