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[数学Ⅲの授業を再現]
着想を磨く不等式での評価のしかた

keyword: 数学Ⅲ,はさみうちの原理,極限,着想
(>>>pdf版)



事業責任者の鈴木です。今回は先日の高2生向の授業で扱った問題を使おうと思います。Ⅲ分野の問題なので理系向けですね。 98年の神戸大の問題です。目標時間は30分くらいでしょうか。(速い子はすぐに気づいて10分くらいで終わってしまうかもしれません) 着想を磨く意図で取り上げました。



僕「じゃあ今日はこれをやってみようかなー。」

Mちゃん「うう、難しそう…」

Rちゃん「(無言)」

僕「まあ1対1よりは難しいのはそうだと思う。でも別に、この問題自体背景に大きなテーマがあるわけでもないから、 そういう意味ではつまらない問題といえばそう。」

Mちゃん「まず見てくれが全然違う」

Rちゃん「(笑)」

僕「1番は問題ないんじゃない?。苦手な子は指数関数を扱った範囲の4stepか、受験塾でやったことあると思うから、 思い出しながらやれば大丈夫だよ」

Mちゃん「…受験塾嫌いだったから真面目に聞いてなかった」

Rちゃん「(笑)」

偏差ランク上位といえども、女子校生の大半は、受験生以外の学年で、上限いっぱいの子を除いては、 傍用教材でも頭を抱えていることがしばしばであることが通常です。

スマホで見てる子は横向き・拡大してごらんください


[10分ほど経過]

僕「どうだろう、できた?」

Mちゃん「うーん…」

Rちゃん「わかんないです」

僕「むう…じゃあちょっと、模範解答見ながら思い出してみようか。一般的な捉え方として、 xがn桁の数であることを不等式で評価する時、どうやって書くかと言うと

\[ \displaystyle 10^{\left(n-1\right)}\leq x < 10^n \]

こんな風に描けるのは大丈夫かな。」

Mちゃん「うーん…なんかやったことあるような、無いような。」

僕「…おかしいなあるはずなんだけどな…」

Rちゃん「(笑) 思い出した気がします」

僕「…まいっか。要はこれを使えば大丈夫。答案としてはこんな感じ。」

\[9^{\left(k-1\right)}の桁数がnなので、\] \[\displaystyle 10^{\left(n-1\right)}\leq 9^{\left(k-1\right)} < 10^n \] \[各辺を9倍して\] \[ 9 \cdot10^{\left(k-1\right)}\leq 9^k <9 \cdot 10^t\]

僕「ここまで大丈夫だろうか」

Mちゃん「大丈夫です」

僕「じゃ、あとやってみよう」

Rちゃん「両辺に9がくっついてるから…そっか、さらに不等式で10のべき乗で挟んであげればいいんですね」

僕「そうそう」

\[ 10^{\left(k-1\right)} <9 \cdot10^{\left(k-1\right)}\leq 9^k <9 \cdot 10^t < 10^{\left(k+1\right)}\]

Mちゃん「問題文で聞かれてるのは、NかN+1桁になればいいってことだから、これでいいんですね」

僕「じゃあ2番行ってみよう。」



Mちゃん「…」

Rちゃん「…」

僕「この問題の骨になるのがこの問題。」

Mちゃん「何言ってるのかがわからない」

Rちゃん「私もわかんないです」

僕「記号が多いよね。それで意味不明に見えるんじゃないかなあ。時間をかけるとするならこの問題だろうね、 1番は誰でもできるし、ここで突破できないとそのまま固まると思う。」

Rちゃん「…」

僕「1番の結果は当然使うだろうなあ」

Mちゃん「うーん…」

[10分ほど経過]

Rちゃん「うーん…全然わかんないです(笑)」

僕「じゃあヒント。桁数が等しい場合のkの個数を、 という文字を使って置いてる けど、逆にさ、桁数が変わる場合はどんな風におけると思う?」

Mちゃん「…あっ」

Rちゃん「ん」

Mちゃん「桁数が変わる場合って、1だけ増えるんですよね」

Rちゃん「うーん?…あっそうか。だから桁数がそのまま で表されるってことなんだ。」

Mちゃん「だから全体から を引けばいいんだ」

僕「そういうことです、というわけで、

\[9^kの桁数が9^{\left(k-1\right)}より1だけ大きいkは、\] \[今kの範囲が2\leq k\leq nなので、\] \[n-2+1-a_n個ある\]

ということになる。もここまでくれば後は簡単。ちょっとだけ忘れずに。」

Rちゃん「できました。9が一桁だから、この桁をそれに足せばいいので、 個ですね」

僕「ほっ。とりあえず二人ともできた。じゃあ最後の3番。もう簡単だと思う。」

Mちゃん「わざわざ1番で不等式と2番で桁数を求めさせてるから」

Rちゃん「 を使って不等式で証明することになりそう…」

僕「ということは」

Rちゃん「はさみうち?」

僕「普通に考えたらそうなると思う。神戸大だし。じゃあちょっとやってみよう。」

\[\displaystyle 2.より、10^{n-a_n-1}\leq9^n<10^{n-a_n}\] \[10で対数をとって、 \] \[\displaystyle \Leftrightarrow n-a_n-\leq n\log9 \leq n-a_n\] \[\displaystyle \Leftrightarrow 1-\frac{a_n}{n}-\frac{1}{n}\leq \frac{a_n}{n} < 1-\log9\] \[よってはさみうちの原理より、\] \[\displaystyle \lim_{x \to \infty} \frac{a_n}{n} = 1-2\log3\]

となる。

僕「ちなみに最後の問題ってどういう意味だろうね」

Mちゃん「えー、うーん…考えもしませんでした。」

Rちゃん「桁数が変わらないkの数をnで割ってるわけですよね、だから、9のn乗を無限に大きくしていくと、 最後の答えくらいの比率で変わらなくなるってことだから」

僕「ちなみにlog3は大体0.47だから、ほぼ0.05くらいに近づく感じだね」

Rちゃん「n個の自然数があっても、20個に1個くらいしか、桁が変わらないような自然数が出てこないってことなんですね」

僕「そういうことになるね」

Mちゃん「ほーなるほど。深いですね。深い?」

僕「9自体大きな数だし、同じものをかけたら基本的には桁が上がるけど、稀に上がらないよって感じだね。 そういうことがわかったわけだね」

実際の授業はビデオ通話で進行しますが、いつもの授業の流れというか、 会話のログをそのままみました。一般化できそうな話題ですが、 個人的にはそこまでは興味が湧きません-.-; 余力のある子は9以外の数字をあてはめていじって見てください:)









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